図書館サービス概論レポート「身近な公共図書館を観察し、その図書館の特徴を述べ、またあなたの具体的で実現可能な希望を列挙して下さい」
図書館サービス概論「身近な公共図書館(都道府県立より、市区町村立が望ましい)を観察し、このテキストに書いてあることと比較しつつ、その図書館の特徴を述べ、またあなたの具体的で実現可能な希望を列挙して下さい」
最も利用頻度の高いD図書館とK市全体の図書館を中心に調査を行った。
1950年に移動図書館・A号が利用開始されたことが始まりで、図書館自体の設置は1981年になってからであった。現在、K市内には中央図書館が◯つ設置され、分館が◯館と移動図書館が◯台となっている。D図書館は1997年と後年になってから設置された図書館である。同年にD駅の直上に建設された駅ビル内にある。駅ビルはK市が出資している会社が運営を行っている。
K市は文化財が多く存在する都合上、電車の路線に制限が多く、図書館へ直接アクセスできる駅はあまり多くない。その中でD図書館は珍しい立地にある。
他の図書館では移動手段としてバスが多く用いられる傾向にある。K市自体が市民や観光客に公共交通機関の利用を呼び掛けている事もあってか、各図書館においても駐車場があってもバスの利用などが推奨されている。
・基本的なサービスについて
K市の2016年3月時点での人口は1,474,570人である。K市図書館の合計蔵書量は1,892,435冊の為、市民一人当たりの蔵書量は1.3冊となる。また総貸出冊数は7,654,086冊の為、こちらは市民一人当たり5.2冊となる。隣県の政令指定都市であるO市の人口は2,691,185人である。O市図書館の合計蔵書量は4,112,557冊の為、市民一人当たり1.53冊となる。総貸出冊数は12,689,889冊となり、市民一人当たり4072冊となる。K市と比べると蔵書量は多いが、貸出冊数はやや落ちる。
また全国の公共図書館の合計蔵書量は436,961,000冊であり、国民一人当たりの蔵書量が3.44冊となる。個人への貸出総冊数は703,517,000冊の為、国民一人当たり5.54冊となる。これから見ると、K市の蔵書量も貸出冊数も平均を下回っている。K市内の中央図書館では各館毎に特色を活かしたサービスに注力しているが、予算に関してはO府と共に削減傾向にある。
そして、D図書館が設置されている伏見区の人口は280,281人である。蔵書量は221,053冊の為、区民一人当たり1.26冊になる。貸出冊数が564,186冊の為、区民一人当たり2.6冊となり、全国平均やK市全体と比べると非常に少ない。ただしD図書館はH区でもかなり端にあり、隣区のY区とのほぼ境界にある。その為、利用者はY区民が多い可能性も高い。Y区の人口は135,325人とH区の半分程度である。Y区民での計算では区民一人当たりの蔵書量は1.6冊、貸出冊数は4.1冊となる。これでもK市全体より低いが、数値は上昇している。データとしての不確かさはあるが、無視をするには立地がYに寄りすぎている為、参考として数値を記載する。
K市図書館の貸出サービスの利用には図書カードの申請が必要で、これは市民であれば誰でも利用可能である。資料は一人10点まで2週間借りることが出来る(視聴覚資料は2点まで)。返却は視聴覚資料でなければ、貸出した図書館以外でも返却が出来る。また、Y駅、自治振興会図書館内、K駅に返却ポストが設置されている。
2006年からはインターネットからの予約も出来るようになった。
D図書館の特徴としては、視聴覚資料が豊富であることが挙げられる。K市内で視聴覚資料を取り扱っている館は3つしかなく、D図書館は全所蔵数43,442点の内20,365点を所蔵している。これは全所蔵数の47%にも及ぶ量である。その為、D図書館では上映会などのイベントをよく行っている。その特徴を活かし、2017年3月には視聴覚ブースに40インチの液晶大型ディスプレイを設置した。
・対象別サービス
D図書館はビル4階にあるが、駅からエレベーターで行くことが出来、また駅ビル内からも目の前までエレベーターが通っているため、足腰が不自由な高齢者でも気軽に行くことが出来る。また児童向けサービスとして「おはなし会」が定期的に開催されている。幼児向けの朗読会だが、赤ん坊向けもある。地域の中学生に向けては職業体験なども行っていたり、ビブリオバトルも開催している。〇〇年に子ども読書活動優秀実践図書館として文部大臣賞も受賞した事がある。
・求めるサービス
児童や高齢者向けのサービスは充実しているように感じるが、高校大学生などの若年層に向けての訴求力が非常に弱いと感じられる。あくまで読書が好きな学生が対象で、これから好きになってもらおうという試みが見られない。周囲に高校や大学がある為、今からでも読書に馴染んでもらおうという試みをして欲しい。学生向けのライトな図書を配架する、PC操作の教材を充実させる等、学生に向けてもアピールをして、図書館へ足を運ぶようにして欲しい。
〈参考文献〉
平成28年K市図書館統計概要 www2.lib.jp/?page_id=234 平成27年統計数値等pdf
O市立図書館統計 www.oml.city.lg.jp//?page_id=447 平成27年度pdf
日本図書館協会 日本の図書館統計 www.jla.or.jp/library/statistics/94/Default.aspx 公共図書館2016年数値
先に図書館概論のレポートを書いていたので、そちらを参考に書きました。1度目は数値を省略していた所が多かった為返されたので、具体的な数値を調べて提出し直しました。